前回はエンジンの分解方法について解説しました。今回は、エンジンオーバーホールの組付け段階です。クランクシャフト、ベアリングやオイルシールなどの消耗品の取り付け方法とエンジンの組付け手順の解説を行います。また、レッツ(UZ50M0)はパーツリストが無料で公開されているので見ながらの作業をおすすめします。
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はじめに
作業を開始する前にパーツクリーナーや灯油を使用してクランクケース内部を洗浄しておきましょう。ベアリング圧入の際に火を使用します。したがって、油分が残っていると危険ですのでしっかりとパーツ類を乾燥させておいてください。
エンジンオーバーホールで交換した消耗品
| 部品名 | 品番 | 値段 | 購入元 |
| クランクシャフト | 12200-42J01 | 14322円 | Yahooショッピング |
| ベアリング | ntn6205 | 820円 | Amazon |
| オイルシール | 09283-20034 | 499円 | モノタロウ |
| オイルシール | 09283-25100 | 902円 | Amazon |
| クランクシャフトカバーガスケット | 11483-42J00 | 739円 | モノタロウ |
| シリンダーガスケット | 11241-32G00 | 359円 | モノタロウ |
ベアリングの取り付け
使用したベアリングについて
まずは、ミッション側のベアリングを取り付けていきます。取り付けたベアリングは、NTN製の物です。純正品を使用しない理由は、このベアリングが原因でエンジンをオーバーホールする羽目になっているからです。
使用したベアリングはNTN製の開放型 6205 内径25mm×外径52mm×幅15mm。
ベアリング取り付け準備

そのままではベアリングが圧入できないので、クランクケースを熱して膨張させておき同時に、ベアリングは気休めだと思いますが、冷凍庫に入れて冷やしておきました。

次に、ベアリングをクランクケースに取り付けて当て木をし、ハンマーでたたいて圧入していきます。この際、ベアリングの向きなどはないので落ち着いて作業することを心掛けましょう。
ベアリングとクランクケースのツラが合うまで圧入してください。
クランクシャフトの取り付け

先ほど圧入したベアリングとクランクケースを再度火にかけて膨張させます。クランクシャフトも冷凍しておくとよいでしょう。取り付けも先ほどと同じように行ってください。
オイルシールの取り付け

ミッション側のクランクケースにオイルシールをはめ込んでいきます。こちらは向きが決まっているので注意してください。画像はクランクシャフト挿入前にオイルシールをはめ込んでしまっていますが、クランクシャフトを圧入してからの方が絶対良いです。
オイルシール取り付けの際はシリコングリスなどをオイルシールに塗布し、オイルシールが傷つかないように挿入しましょう。
エンジンオーバーホール腰下の取り付け手順
フライホイール側の圧入準備

このエンジン、フライホイール側の方が簡単にベアリングを圧入できます。こちらはバーナーを使用して膨張させておきます。
液体ガスケットの塗布

フライホイール側を温めているうちに、ミッション側クランクケースに液体ガスケットを塗布しておきます。画像はクランクシャフトがはめ込んでありませんが、必ずミッション側にはめ込んだ状態で行ってください。また、赤丸で囲ったロックピンが2か所あります。あらかじめ取り付けておくとよいでしょう。
クランクケースの取り付け
いよいよ、クランクケースを戻していきます。準備をしっかり行っておけばそのままハマるはずです。綺麗にはまらない場合は、ミッション側のベアリングの圧入不足です。無理にクランクシャフトをたたかずに再度ベアリングを圧入しなおしましょう。
ねじの取り付け

クランクケースがきれいにはまったら次に、フライホイール側のねじ4本を締めます。
これにて腰下の組付けは完了です。次は腰上の組付け手順に続きます。


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